サラリーマン心理カウンセラーの日記

心理カウンセラーが語る 日々輝きながら働くための処方箋 しんどくなったら、大きく深呼吸してみよう

期待されればその通りになる? ピグマリオン効果

こんにちは!

サラリーマン心理カウンセラーです。

f:id:ECOUNSELOR:20190901070641j:image

オードリー・ヘプバーン主演の映画で

「マイフェアレディ」という映画があります。

 

この映画の内容はヒキンズという名の

言語学者が、あるロンドンの

下町の花売り娘、イライザを貴婦人に

半年で変身させてみせる、

という掛けを友人とするもの。

 

結局ヒキンズ教授は、

イライザを立派な貴婦人に仕立て上げ、

最後には彼女と、結ばれます。

 

彼はイライザを貴婦人に

仕立て上げるために、

彼女を最初から貴婦人として扱います。

そして「君は立派なレディーだ」

「品のある女性だ」というような

言葉を浴びせると同時に、

きれいな華麗なドレスと

きらびやかなアクセサリーを身につけさせ、

彼女をどんどん「その気」に

させていくのです。

 

するとどうでしょう?

いつの間にか花売り娘は、

気品溢れる貴婦人へと変身しているのです。

 

このように、

人は他人からある期待をされると、

自分がその期待通りの

人間であると思うようになり、

またその期待通りになろうという

行動を取りやすくなることがあります。

 

これを「自己充足の予言」と言います。

ヒキンズ教授は、この人間の心理を

上手に利用したというわけです。

 

これは私たちの日常でも

うまく利用できそうですね。

 

例えば部下の能力をあげたい時

部下に対して上手に期待を

持ってあげればいいのです。

 

自分の子供に対しても同じです。

子供が絵を描くのが得意だとわかり、

その才能をさらに伸ばしたいと思った時。

「お前はなんて絵が上手なんだろう」

「ひょっとしたら将来はよかったら、デザイナーかな」

 

などと褒めてあげれば、

その子が親の期待通りになるように

行動する可能性は高いと言えるのです。

 

ただし本人がその気もないのに

過度な期待を寄せるのは、

ときにはプレッシャーに

なって逆効果となる可能性もありますが。

 

ところでこの「自己充足の予言」は

ピグマリオン効果とも言われています。

 

これは、アメリカの教育心理学

ロバート・ローゼンタールによって

提唱された、教育心理学における

心理的行動のひとつで、

別名「教育期待効果」、または

「ローゼンタール効果」とも呼ばれています。

 

ローゼンタールはある小学校のクラスを

対象に、知能テストを行う実験をしました。

学級担任には

「このテストによって今後成績が伸びる生徒が分かる」と説明しましたが、

実際にはそのような効果はない一般的な

知能テストでした。

テスト後、結果に関係なく無作為に

生徒を選び出し、

「今後成績が伸びるのは、この生徒たちだ」と

伝えました。

担任教師はこれを信じて選ばれた

生徒たちに期待して指導をしました。

すると、本当にその生徒たちの成績が

向上したのです。

 

この実験で、成績が向上した要因として

考えられるのは、担任が選ばれた生徒たちに

期待を示し、子供達は期待されていることを

意識してそれに応えようとしたことが

挙げられます。

 

 

そしてピグマリオンとは

ギリシャに神話に登場するキプロス島の王。

 

彼はある時、象牙で作られた彫刻の女性に

恋をしてしまいます。

彼が彫刻に向かって

「君は綺麗だ」と繰り返していると、

女神アフロディテが彫刻を

本物女性にしてくれたという話です。

 

実は映画「マイフェアレディ」の原案は

イギリスの劇作家バーナード・ショー

ピグマリオン」なのです