サラリーマン心理カウンセラーの日記

心理カウンセラーが語る 日々輝きながら働くための処方箋 しんどくなったら、大きく深呼吸してみよう

魔法の鏡は子供の本心を映す鏡

こんにちは!

サラリーマン心理カウンセラーです。

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「鏡よ鏡世界で1番美しいのは誰?」で

有名な白雪姫。

このグリム童話を心理学的に

分析したブルーノ・ベッテルハイムという

フロイト派の心理学者がいます。

 

この童話は、白雪姫に対するお妃の

嫉妬から始まります。

「どうして子供を愛する親ではないのか」と

いうことに、ベッテルハイムは着目し、

子供が「親なんていないほうがいい」と、

心の奥で思う心理状態が反映されていると

考えたのでした。

 

子供は成長するにつれて、無意識のうちに

親から自立しようとします。

自分を束縛するものに抵抗するわけです。

でも親がいなければ、生きていけないのが事実。

それに親を否定することには罪悪感を感じてしまいます。

 

そこで子供がいなくなればいいと思ってるのは

親の方だと、都合の良いように解釈する心理が

子供に働くと言うのです。

 

 

童話やおとぎ話には子供を捨てたり

ないがしろにする恐ろしい話が

度々登場します。

親が子供を捨てる「ヘンゼルとグレーテル

継母にいじめられる「シンデレラ」などの

童話が語り継がれているのも、

親に捨てられることで自由になれることへの

憧れが子供の心を捉えているのかも

しれません。

 

さて白雪姫の話に戻りますが、

お妃が、「世界で1番美しいのは誰?」と

問いかける鏡についてもベッテルハイムは

子供の心理の反映説を打ち出しています。

 

以前はお妃自信を写していた鏡は、

白雪姫を映し出すようになります。

 

ベッテルハイムに言わせると、これは

幼い頃は、自分が母親が世界一美しいと

思っているけれど、成長するにつれて

自分の方が母よりも、ずっと若くて美しい

ことに気づく子供の心理を表しているそうです。

女性ならいちどは経験したことがあると思いますが、

思春期の頃、母親のことをセンスがないと感じたり、

歳をとっても母親のようにはなりたくない、

と感じた事はありませんか。

男性だったそうです。父親よりも

自分のほうが絶対に立派な男になってみせる、

そんな風に思った経験があるのではないでしょうか。

 

そうした親を否定し、自立したいという

欲求が、白雪姫の鏡に映し出されたわけです。

 

 

そして、最後にお妃が死に、白雪姫は親の

束縛から解放されるのでした。

 

普通なら親が死んだら悲しむのが当然。

それなのに、白雪姫の物語のように、

親を悪者にして制裁加えることで、

子供はなぜか開放感に満ちた気持ちに

なるわけです。

これが本当の親だと問題がありますから、

物語では意地悪な継母などに置き換えて、

道徳的にも納得のいくように配慮されています。

 

こうしてみると「白雪姫」を何度も読み返す子供の心理が少しわかるような気がしますね。

どうやら子供には、親に依存したいという

思い出だけではなく、その裏に親を超えたい、

親から離れたいと言う願望も

幼い頃から芽生えているようです。